「合氣道は柔道や空手とどう違うのですか?」とよく質問されます。昔は徒手でおこなう格闘術をすべて柔術と言っていました。明治時代になって袖や襟をもちあう技や寝技を中心にスポーツ化し、競技試合として発展したのが柔道です。
また、空手道は中国、沖縄から伝わった突き、蹴りなどを主体にした武道です。柔術の中にはスポーツ化できない多くの良い技があります。合氣道はこれらの技に剣術,杖術を加えて体系化されました。
そして、信仰心の篤かった合氣道開祖植芝盛平翁(1883~1969)が武を殺傷の具ではなく「万有愛護」を理念とする人格完成の道として確立した現代武道です。
合氣道開祖植芝盛平の高弟で十段を許された藤平光一先生(1920~2011)の流れをくむ合氣道です。藤平光一先生は、日本初のヨーガ行者である中村天風(1876~1968)から心身統一道を学び、その原理を合氣道理論に組み込み、独自の境地を開かれました。
合氣道は武道ですから、どんな場所、どんな体勢で攻撃を受けても相手を制することができなければなりません。しかし、相手に勝って自己満足する為に投げるのではなく、相手を自分を磨く砥石と考え、合氣道の稽古を通じてお互いに切磋琢磨し、争いの心のない真の人格完成を目指します。